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デザイン保護は 人と文化のバロメータ

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Q&A

多くのヒット商品は、特許権と意匠権で強固に護られているとのことですが、特許出願後に意匠登録出願への出願変更を考慮した場合、特許出願の図面に、意匠登録出願の際の意匠の形態を、どの程度明確に記載しておくべきでしょうか。
 特許出願から、意匠登録出願への変更については、意匠法13 条に「特許出願人は、その特許出願を意匠登録出願に変更することができる。ただし、その特許出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があった日から三月を経過した後は、この限りでない。」と規定されています。
 この規定について、意匠審査基準92.1に、「出願の変更とは、出願の内容の変更ではなく、もとの特許出願又は実用新案登録出願と変更された後の意匠登録出願との間の出願の形式の変更である。なお、これらの変更があったときは、新たな意匠登録出願は、もとの特許出願又は実用新案登録出願の時にしたものとみなされ、もとの特許出願又は実用新案登録出願は取り下げたものとみなされる。」と記載されています。
 そして、変更による新たな意匠登録出願が、もとの特許出願又は実用新案登録出願の時にしたものとみなされるには、
1) 特許出願から意匠登録出願への変更の場合は、もとの特許出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があった日から3カ月以内であること
2) 実用新案登録出願から意匠登録出願への変更の場合は、もとの実用新案登録出願が特許庁に係属していること
3) 変更による新たな意匠登録出願の出願人と、もとの特許出願人又はもとの実用新案登録出願人 とは同一であること
4) もとの特許出願又は実用新案登録出願の最初の明細書及び図面中に、変更による新たな意匠登録出願の意匠が明確に認識し得るように具体的に記載されていること
5) 変更による新たな意匠登録出願の意匠が、もとの特許出願又は実用新案登録出願の最初の明細書及び図面に表された意匠と同一であること
が必要です。

 そこで、ご質問の特許図面の問題に集約しますと、特許図面に、意匠登録出願に必要な「同一縮尺で表わされた一組の図面(基本6面図)」が記載されている必要はありません。例えば、特許図面が、正面斜視図及び背面斜視図の記載であっても、その特許図面から、意匠の具体的な形態が十分に特定できるものであれば、出願変更による効果(出願日の遡及)が認められます。[図1]参照。
 他方、@特許図面に意匠登録出願の意匠の具体的形態が開示(記載)されていない場合 A特許図面に記載された形態(意匠)と意匠登録出願の意匠の形態が一致(実質同一)しない場合 B特許図面に記載のない形態が、意匠登録出願の意匠の形態に付加されている場合、出願日の遡及が認められないことになります。
 解りやすく説明しますと、@は、特許図面が、技術の説明図、構造図、断面図であり、技術思想(デザインのコンセプト)は開示されているものの、意匠の具体的形態の記載が十分になされていない場合であり[図2]参照、Aは、特許図面に意匠の具体的形態は記載されているものの、意匠登録出願の図面に表わされた形態と一致しない場合であり、Bは、特許図面に記載されている形態が、本体部であり、意匠登録出願の意匠の形態にその他の部分が付加されて、完成品の形態として出願された場合が該当します。
 なお、Bの場合は、平成10 年の改正において創設された部分意匠の意匠登録制度を活用することができます。この点については、意匠審査基準71.12に「特許出願又は実用新案登録出願から部分意匠の意匠登録出願への出願の変更」において、「特許出願又は実用新案登録出願の最初の明細書および図面に、変更による新たな意匠登録出願の部分意匠が明確に認識し得るような具体的な記載があり、出願の変更の前と後の内容が同一と認められる場合に、変更による新たな部分意匠の意匠登録出願は、もとの特許出願又は実用新案登録出願の時にしたものとみなす。」と記載されていますので、開示されていないところを破線とし、開示されている部分を実線で表わして、部分意匠の意匠登録を受けることができます。

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