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デザイン保護は 人と文化のバロメータ

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Q&A

意匠登録出願のファーストアクションの期間(FA期間)は、現在、略7月と言われていますが、そのFA期間が4月から9月とバラツキがあるのは何故ですか。
 意匠の審査は、意匠登録出願について方式審査が終了した後、担当審査官に振り分けられ、年度当初に審査長単位で審査スケジュールが決定されます。意匠の実体審査は、1意匠の認定、2先行意匠調査、3拒絶理由の判断、4拒絶理由通知若しくは5登録査定、6拒絶理由通知に対する意見書の採否、7登録査定若しくは8拒絶査定、それに不服の場合9査定不服審判となりますが、意匠の審査・審判においては、迅速的確な先行意匠調査(サーチ)が最重要課題であり、今日でもそれは変わりがありません。
 ところで、意匠の審査は、一件ごとに審査するのではなく、意匠分類ごとにある程度のまとまった件数を審査します。特許庁ではこれをバッチ審査と言っていますが、このバッチ審査が、FA期間にバラつきが生じる主たる要因です。
 特許の審査は、基本的に特許出願を一件ごとに審査する各件審査を採用しています。一方、意匠の審査は、類似する意匠群、デザイン開発上のまとまりのある意匠群を約50件程度を集めて審査がなされます。特許の審査のように各件ごとにサーチを行った場合、類似の意匠(例えば、本意匠と関連意匠)のサーチを行うたびに、それに関連する先行意匠のサーチを繰り返し、その都度、先行公知意匠およびその類否判断を行うことになり、それに要する審査の時間が重複し、膨大になります。そこで、意匠登録出願の意匠が製品の外観 であり、その出願内容が容易に把握できるという特徴を生かし、一定の人数で大量のサーチを短期間で効率的に行うために、関連する分類範囲の出願案件をまとめてサーチするバッチ審査が採用されました。
 私が特許庁に入庁した昭和48年頃の意匠の審査は、意匠登録出願件数が年間約5万件の時代であり、その審査は、その年の1月から12月までに出願されたものを一纏めにして、約200件から300件を年に1回審査するいわゆる1サイクル審査でした。この審査では、早いものと遅いものとのバラツキが約1年となり、その不公平の解消、また、審査要処理期間の短縮が強く求められていました。
 その解決策として、企業から多サイクル審査の採用への強い要望がありました。特許庁は、その前段として、資料調査員の採用、意匠審査の機械化、ペーパレス化の推進を図り、その成果として、審査バッチを年間2回行う2サイクル審査が実現しました。現在、特許庁は2サイクル審査を基本とし、出願の多い分野については、3サイクルおよび4サイクル審査を併用しています。多サイクル審査になるほど審査期間は短くなります。これが、FA期間にバラツキが生じる原因です。しかし、ほとんど意匠の分野において、4サイクル審査が実現すれば、FA期間4月が実現します。
 意匠の具体的なバッチ審査は、配架パネル(包袋立て)に囲われた審査室において、配架パネルに並べられた最新のデザインを注視しながら、粛々と意匠審査が行われます。願書および添付図面の内容を縮小して、配架パネルに多数の出願を配架して審査します。大量のサーチ資料を用いながら、一括して多くの出願を少人数でサーチするのに効率が良いからに他なりません。近年、意匠登録出願は約3万件で推移していますが、製品のデザイン開発は国内外で活発である上、新製品の広告媒体も多様化しており公知資料をはじめとする審査資料は顕著に増加し、バッチ審査は益々有効に働いているといえます。
 また、意匠審査の質の向上のために、意匠検索のデータベースに、毎年約30万件の審査資料(公知資料)が蓄積されています。審査資料は年毎に増大し審査負担は重くなる一方であり、審査の迅速化、ファーストアクション(FA期間)の短縮が喫緊の課題であり、審査の質の維持、審査期間の短縮に対応する審査体制を築くことが意匠審査に継続的な課題となっています。意匠審査の質の向上のために、意匠の機械審査は、年々改良その開発が重ねられ、近年では、1同人検索、2拒絶例照会、3引例参考文献検索照会、4栞(しおり)照会、5特実検索照会等のシステムが導入されています。
ところで、審査バッチは、出願予測件数や審査資料数を過去の統計から導き出し、サーチが約1月程度で完了できることを目安として、また、サーチ効率の観点から物品が共通する範囲を考慮して、審査官のスケジュールを所属長が策定し、特許庁のホームページに「意匠審査スケジュール」として毎年公表しています。
 この「審査スケジュール」は、出願人(企業等)の意匠登録出願の審査結果がどの時期に届くかの目安となり、企業の製品開発、意匠登録出願のタイミング、早期審査の請求(「早期審査に関する事情説明書」の提出)の要否の検討に有効に活用できます。是非、ご活用ください。


●特許庁ホームページに公開されている意匠審査スケジュールの例

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